「ねぇねぇ、雪乃ちゃん」


「なんですか」



先輩がすでに定番となってしまった膝枕から起き上がり、私を見る。


もう10月の下旬でもうすぐ11月だというのに、先輩はまだシャツ一枚だ。



…寒そう。


ちなみに冷え性でもある私はセーターを着て、常にブレザーを持ち歩いている。


静かに吹く冷たい風を感じながらぼーっとしていると、

先輩がずいっと顔を近づけてきた。



「雪乃ちゃんって好きな人、いたことあるの?」


「……はい?」