「雪乃ちゃんの髪ってきれいだねー」


「…そうですかね」



先輩が腕を伸ばして私の髪に触れる。


私は先輩の指から流れるように落ちていく自分の髪を見つめた。



放課後。


いつものように、私と先輩は校舎裏に来ていた。

さっきから先輩は私の髪をいじってばかりいる。

するとサァッと冷たい風が吹き、思わず身を縮こませた。



「…大丈夫?雪乃ちゃん。寒くない?」


先輩が下から見上げながら心配そうな顔で聞く。


「大丈夫です。…膝はあったかいですからね」


「あはははっ」