☆裏道横町のオネエ
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次の日の夕方、学校帰り。


あたしは、駅裏をちょっと進んだところにある商店街の入口に来ていた。



「幼なじみがさ、あたしのカテキョにつくことになってさ」


「カテキョ? なによ、それ」


「家庭教師だよ。カテイキョーシ」


「まったく。今の若い子は何でも略するからヤだわ。
カテキョまで言うんだったら、イとシを入れても長さ的に対して変わらないじゃないの」



イス代わりのビールケースに腰かけたあたしの顔を見て、


おんぼろテーブルの向こうで「ふん」と鼻をならすオネエ。



年齢不詳。


自称、占い師。


通称、裏道横町のオネエ。