「付き合ってるんだから普通だよ。ラミカちゃんが拒否ってるの?」


「ううん。あたしは聡ちゃんとならいいって思ってるんだけど、夜はどうしても眠たくて聡ちゃんより先に寝ちゃうの」



…………………………。


「……それが理由?」


「そうだよ」


「そっか。フフッ……眠ってる彼女には、さすがの聡一も手を出せないもんね」



エミさんはクスクス笑いながら琉生くんが蹴った毛布をお腹にかけ直した。その姿を見て、微笑ましく思った。



「本当にママってだけで尊敬するよ。エミさん、同い年なのにすごいね」


「ありがとう。でも、私なんてまだまだだよ。ラミカちゃんなら、いいママになりそう。聡一と将来の話とかしてる?」



将来……そういえばたくさんした。



「結婚したいって。あとあたしが高校を卒業したら、きちんとした職に就くって」


「えっ……」



エミさんの顔が一瞬、曇った。あたし、何かおかしなこと言った?