「…い……ら。おい!…佐倉大丈夫か?…」




「………っ!!大丈夫ってなにが?」




「お前さっきから上の空だったけど、気分でも悪いのか?」




少しスリップしてしまったらしい。




「大丈夫だって、少し考えごとしてただけだから。」




「ならいいんだが。」




そのとき、ちょうど何かの建物が見えてきた。




「ほら、体育館が見えたぞ。」




「体育館に向かってたんだ。」




「どこに向かってると思ったんだよ。さっさと並んでこい。それとお前のクラス1-1だからな。」




「はいはい。道案内ありがとさん。」




あたしは大五郎な手を振り生徒の中へ入っていった。





後ろにいる大五郎がにやけた顏で、




「あいつら、佐倉のこと気に入るだろうな。」




そんなことを呟いていたなんてあたしには知るよしもなかった。