「俺、夢見てるのかな?」


「怜人?」


「知奈がいる」



怜人、夢じゃない。



夢じゃないんだよ。



「知奈、泣くな……」


私、泣いてるの?


頬に伝う涙は、温かかった。



「知奈……」


「ん?」


「……ごめん」



もう、いいから……。


私は思いっきり首を横に振った。


「怜人……」


「ん?」


「おかえり」










「ただいま、知奈」