「ナツミさん、起きた?」


 翌朝、目を覚ますと、ナツミさんのが先に起きていたので、俺は体を起こしながら声を掛けた。


 やっぱり、昨夜久々にヤったせいで体がだるい。


「何で名前知ってるの…? ていうか、誰?」

 ナツミさんは、シーツで裸の体の前を隠そうとしながらそう言った。


 別に隠さなくても、昨夜全部見たのに。


 ていうか、


「ナツミさんから聞いてきたのに~? もしかして俺の名前覚えてないの?」

 そう聞いたら、ナツミさをは黙って頷いた。


 軽くショックだった。

 やっぱり、ナツミさんは酔ってたし、覚えてないのか……

 あの嬉しい言葉を言ってくれたのも……覚えてないってことか……


 でも、昨夜は余裕なくかっついちゃった感じだから、よかったっていえばよかったかも……


「…ていうか、私達……やっちゃったの?」


 俺は、昨夜のことを思い出す。


「うん」

 思い出すと、自分でも分かるぐらい、にやけてしまった。


「すっげー良かったよ。ナツミさん、めちゃくちゃスタイルいいし、感度最高だし。不感性とか言った男、バカたなぁ」


 本当、バカだよ。不感症はお前じゃん。

 ナツミさんは、お前が思ってるより、ずっと魅力的な人なんだから。


「ナツミさんも気持ち良さそうだったし、やっぱ下手だったんだよ。元彼と別れて正解じゃん」


「ご……ごめんなさい!」

 いきなり、ナツミさんに謝られた。


「なんか酔って迷惑かけちゃって……」

 そう言いながら、ナツミさんはベッドの下の方にあったバスローブ羽織った。


「り、料金は払うから……本当にごめんなさい!」


「待って」


 ベッドから降りようとしたことナツミさんの手首を、俺は掴んでいた。


「え……?」


「ナツミさん。俺と付き合って」

 俺は、考える前にそう言っていた。

 多分、本能的にここで言わないとって思って、口が動いたんだ。