その知奈が今、俺のことを「本城くん」と呼んでいる。



知奈は完全に俺と決別したのだと思いしる。



当たり前、か……。


一番愛しい君の記憶を無くして、


傷付けて―――。



おかしくもないのに狂ったように笑いが込み上げる。


「……本城くん?」


「ハハハッ……俺たちセックスまでした仲なのに、ずいぶんよそよそしいな」


だったら、どんな手段を使ってでも、


「何、言ってるの?」


知奈のそばにいたいから―――。



「ねぇ……ヤらせてよ」



もう一度、


残酷な言葉を―――。