屋上から戻って来たら、沙弥が真面目な顔で待ち構えていた。


「どうだった?」

「沙弥大的中」

「だろうね。……で、その顔からすると」

「断ったに決まってんじゃん。誰があんなタラシと」

「そーとーキレてんね」

「あんなフラれ方して怒らない人がいたら、ぜひ見物してみたいもんだわ」

「美那、今のあんた怖いわよ」

「まじ女ナメんなっての」

「わかったわかった」


女だからって、みんながみんなコロッと騙されるわけじゃない。


泣いて土下座して謝られたって許すもんか。


あんな思いするくらいなら、一生男なんか好きにはならない。


それくらいあたしは悠に傷つけられた。



あたしの心の傷は、そう簡単に消えやしない。