裏道を抜けると、彼女の行った通り、所謂ホテル街に出た。


「どこ行こっかぁ」


 彼女がキョロキョロ辺りを見回して言ったのも、今の俺には左から右に抜けていく。


 そんなことより、俺の腕に密着状態の感触にばかり神経が集中してしまう。


「あ、あのホテル可愛いー!」

 そう言って彼女がま指差したホテルの看板には、


『ホテル キャッツ』


 その下には、スマートな黒猫の絵もかかれてている。


 洒落たデザインの看板だけど、やっぱりホテルがホテルなだけに、いやらしく見えるのは気のせいだろうか。


「キャッツって、ニャンニャンするからなのかなぁ?」

 そう言って彼女は俺を見上げる。


 さらっと下ネタ言ったな、この人……


「そうなんすかね」

 俺は答えて、彼女を見た。


 俺を見上げる彼女の顔は、予想以上に可愛いくて、不意を衝かれて余計にドキリとしてしまった。


「じゃあ行こー」


 そうして引っ張って行かれ、俺らは『ホテル キャッツ』に入った。



 キャッツという名前のくせに、他のホテルと大して変わりなくて名前なんて関係ない雰囲気だった。


「ホテルって久々~。ベッド大きーい!」

 部屋に入って、彼女はやたらとテンション高くて、中央にあるベッドにダイブした。


 その瞬間、彼女のスカートの裾が捲れた。


 ピンクに白レース……


 見せちゃってもいいんすか!?