「……悪かったよ。で、何を話すんだよ?」
「だから聡ちゃんはなんでヤクザになったの?」
なんでって……
「聞いてどうするんだよ?」
「今度三者面談があるんだ。あたしも将来の進路を決めていかなくちゃいけないから参考までに」
「進路ねぇー」
俺の話なんか参考にもならねぇだろ。敷き布団の上であぐらをかいて、目をこすりながら思った。……ん?その前に今、とんでもないこと言わなかったか?
「三者面談っていつあるんだよ?」
「明日」
「誰が行くんだよ?」
…………………………。
「ああ!! あたし、お父さんもお母さんも行方不明だったっ!!」
頭を抱えて、今さら気づいたラミカに俺は呆れながら立ち上がった。
「目が見えねぇ。ラミカ、眼鏡は?」
「はい」
ラミカに眼鏡を手渡されて耳にかけると、ぼやけた視界がクリアになった。
さて、このバカなかわいい彼女の三者面談。どうすっかな。