「わあ! ピンクの携帯かわいい! ありがとう!」


――翌朝、ラミカに携帯を渡すととても喜んでいた。高3にして、初携帯だそうだ。マジ、天然記念物。



「俺と姉貴と恒の連絡先は登録してあるから。後は自由にダチの番号を登録しな」


「うん!」



もし、俺に何かあったら……姉貴か恒に連絡をとれるように。二人にも了承を得て、登録しておいた。



「行ってきます!」



笑顔で学校へ行こうとするラミカの腕を掴んで、チュッと唇にキスをした。



「きゃ」


「行ってらっしゃい」


「うう〜行ってきます〜」



初めて“行ってらっしゃい”と言えた朝。


ラミカはまだ慣れないキスに唸りながら出掛けて行った。



なんか俺らしくねぇけど……


こんな自分も嫌いじゃねぇ。ラミカの入れたコーヒーを飲んで、タバコをふかした。




願わくは、幸福な朝がいつまでも続きますように――……






第4話:終わり