「やっぱりあたしには萌しかいないよ」

情けない声を出しながら、萌にしがみつくあたし。

「どうした、美月…?」

萌の可愛い声が、あたしの胸に響く。



「あたしたち、ずっと友達だよね…?」

「当たり前じゃん!
美月のこと、大好きだよ」

萌は、どうしてこんなに素直でいい子なんだろう。

あたしには、萌を裏切るなんてできない。



「ごめんね、萌…」

あたしは、萌に聞こえないくらい小さな声でつぶやいた。