「こっちパス!」 「4番走れー!シュートッ!!」 少し低い、そして大きい、男の子達の声。 日だまりの中にいるみたいな、暖かい放課後の教室の窓際。 「次っ!!」 ・・・あ、走ってる。 私、長田千胡(ナガタ チコ)の目は いつも君を 同じクラスの男の子、黒川涼(クロカワ リョウ)君を追っていた。