怒りをたっぷり含んだその低い声に………



あれほどざわめいていた周囲が嘘のように鎮まりかえって………



それはもう恐ろしい目をした時春の姿に全員がビシリ!と固まった。



「………だから言ったのにね。」



来栖は相変わらず暢気にそうつぶやいて、呆れた顔をして周りを見渡した。



「あの…藤間時春の溺愛する奥さんと娘ちゃんに手を出そうなんて…勇気あるなぁ~?」



「「…………!!?」」



その飄々とした顔で面白そうにニヤリと笑ってつぶやいた言葉に周囲はさらに固まった。



「ぱぁぱ~~っ!」


「ハル~~~っ!」



可愛らしい二人の嬉しそうな声に、絶対零度のオーラを背負っていた時春の態度が…………



「………うさ、白羽。迎えに来てくれたのか?」



とろけそうに甘く優しい笑顔に180度の変貌を遂げた…………。










「……いや~っ!藤間く~~ん…っ」


「結婚してんのぉ~~!?」


「………あの嫁と娘はズルすぎるだろ……。」



「「………恐るべし…藤間時春……!」」



時春はまた新たに一目置かれるネタを増やしていたり……



………でも





「お疲れさま…!ハル~!」


「ぱぁぱ~~っ!」


「……さぁ、帰るか…?今日は俺がメシ作ってやる。」


「うわぁ…!じゃあハンバーグ~!」


「ぐぅ~~!」






周りのどんな声も仲良しラブラブ一家には聞こえないのです………♪