「ね!」


2人とも全く悪気のない笑顔で念押しする。


正直、行きたくない。


でも、嫌われたくない。


自分が浮くの、目に見えている。


でも、断れない。


「あ……。
うん。
……わかっ、た」


「よっしゃ!
じゃあ明日の放課後、そのまま教室残っててね」


「……うん」


髪の毛を耳に掛けながら、無理に愛想笑いをした。


ああ……。


嫌なこと嫌だって言うの、難しいよ。


学校という、クラスという、この小さな社会の中では。


昼休み終了のチャイムが鳴って2人がそれぞれの席に戻ると、私は、ふう、と小さな溜め息をついた。