春。

中学生活も3年目。

受験生というポジションになったというのに、俺は、マジメに授業なんて受けていなかった。

ある日の3時間目。


「あぁっ……はっ……」

淫らな声が保健室内に響く。

「……っん!あぁっっ……」

ひとりの女の声が、俺の耳にまとわりついた。

「……センセー、声出すならやめるよ?」

抑揚のない声で、俺に背を向けている養護教諭に告げる。


「い、イヤっ……やめないでっ……」

「ふ~ん。じゃあ、がんばってね」


そう言うと、目の前の女のことなんて考えずに、自分の欲を吐き出すことだけに徹した。



乱れた制服を整えて、ベッドに横たわる女を見る。


「ねぇ……もう行くの?」


服は、ほとんど着ていない。


「えぇ。授業がありますから」


まだまだ俺が欲しいというような目で見つめられた。

お前、教師失格だろ。


「今度はいつできる?」

「さぁ?いつでしょうね?」


無表情のまま答える。


またヤリたいとか思ってるんだ。

笑える。

ここの校長に、俺がこの女のことを教えたら、即クビだよな。

生徒に手ェ出しているんだから。


「じゃ」


そう一言だけを告げて、保健室を出た。