一旦自室に戻り、数分して一階のロビーに集まった灑梛と瑞希は、真新しい四神学園高等部の制服に身を包んでいた。

「何だよ、結構似合うじゃん?」
『…私は余り、こういう服装は好かないが…。
そう言うお前こそ、似合ってるぞ』

四神学園の制服は、主に灰色を基調とし、裾や襟の縁に赤いラインがあるだけの、とてもシンプルで清楚なものだった。


二人は東京都靈羅隊舎を出て、既に着いていた迎えの車に乗る。

これから行くのは、普通、会うことは無い総理大臣のところ。

―――――総理官邸だ。