「いいよ、戻ってやる」

「やったぁ~」


うれしそう笑みを浮かべる杏に、優しくキスを落とした。




それから、5分後。


「酒の効力切れたな」


俺の腕の中でスヤスヤと眠る杏。


服を着せて、ベッドへと運んだ。




1時間ほど経って……。


「あれ?どうしてベッドに寝てるの?」


何も覚えてない杏が目を覚ます。


「ウトウトして、寝ちまったんだよ」

「ホント?ごめん。うわ~制服、シワになっちゃう!」


慌てて起きようとする杏。

それを阻止するように、上から覆いかぶさった。


「り、陸?どしたの?」


キョトンとした杏に、軽く口づける。

「ななななな……!」


真っ赤に一瞬で染まる頬。

ホント、さっきと同一人物だとは思えねーな。

あんなに迫って来たのに。


「制服にシワなんてできねーよ。今から全部脱がせるから。それに今日頑張ったから、ご褒美もやんないとな」


「へ?」


コイツは、何の事だか、さっぱりわかってないという顔をした。


いいや、さっきのが本音だと思うから。


酔った時に言うのが、本心だっていうだろ?



「昨日の分もかねて、たっぷりかわいがってやる」


「きゃー!」



それからは、何度も杏を食って、チョコよりも甘い夜をすごした。



バレンタインって嫌いだったけど、コイツがいるなら好きになれそうだ―――。




――End――