「お母さん、何作るの?」

キッチンで、大量の食材を
さばいている母に問う。

「そこの野菜切って。
スープにいれるから。」

「はいはーい。」

相槌をうって、手元にある
食材を手にとりナイフを
通した。

「お待たせ。」

ジェイドがちょっと疲れた風に
キッチンに顔をだした。


「ジェスも、ディオナと一緒に
切ってちょうだい。」

「OK」

彼は、愛想よく応え
私の隣でナイフを手にする。

「ちょっとは上手くなった?」

冷やかしをこめて、からかえば

「当たり前じゃん。」

飄々とコヤツは言う。

あ?照れてる‥‥‥?


「うぁ‥‥玉葱しかねぇぢゃん。」

嫌そうにジェイドが言って。

「あなたが遅いからよ。
他のは全部終ったわよ。」

そう、諌めれば。

「うるせーな」

いつも通りの口答え。

「早く、手を動かしなさいよ。
煮えちゃうわよ。」

「うるさい」

二人で肩をぶつけながら
口論を繰り返す。

「ほーら、二人とも!
ケンカしないで、手を動かす!」

母の仲裁に、
渋々作業を続行し始めた。