「あなたたちが見つけた私の過去……聞かせてちょうだい。」



澄んだ目で長畑さんは2人を見た。






「俺らは、そこの2人から長畑さんの過去を聞いていた。
そこで2つ気づいたことがあったんや。


ひとつめ、今ここにいる病院や。
精神科があるのはまずここだけ。
もし通っていたなら、今も秋野さらの名前はあるはず。

もしかしたらまだ通っているかもしれない。
んで、データをちょいと七海にみてもらったんや。


ふたつめ、それはあんたがやたらと秋野さらについて知っていたこと。

秋野さらの姉の日記をみたとしても学校に忘れ物をとりにいったわずかな時間。

混乱して完全に記憶するのは難しいはず。



だから、俺はこう推理した。


───秋野さらのそばに、常に秋野さらのねーちゃんとあんたがいたと言うこと。」







台本があったかのようにスラスラとしゃべった勇斗は、一段落おいてもう一度口を開いた。



「そもそもあんたが秋野さらについて話していた口調は、いつもさらを見守っていたように聞こえたんや。

そして、俺の推理はあたった。」







─────……