下を向いているから顔はよく見えないけど、黒いカッターシャツに、灰色のスーツを着ている。

おまけに金髪。

ポケットに手を入れて壁に寄りかかってる。

同じ場所で待ち合わせるのは気まずいので、大ちゃんに電話して、場所を変えることに。


〜〜♪

近くで着信音が聞こえた。

「え…………」

「は…?」

あたしの声に反応したホストらしき人が、パッと顔を上げた。


「だ、大ちゃん!?」

「……………おう」

大ちゃんもあたしが来ていたことに気付いていなかったみたいで。

目があった瞬間、少し驚いた顔をした。


「え、な、何!?その格好!」

「………俺がこんな服自分で着ると思うか」

確かにそうだ。

いくら総長だからって、こんな服を自ら選んで着るような人じゃない。

ということは……

「……遼…?」

「以外あり得ねぇだろ。」

やっぱり。

何でこんなことになったかというと、時は3日前にさかのぼる。