安田慶太が追いかけられてるのを見て、腹を抱えて笑っている。

え、助けに行ったんじゃなかったっけ?

しばらく見ていると、やっと斉藤君は動きだした。


「あんなとこで喧嘩したらめんどくさいことになりそうだけどな。」

槙が苦笑いしながら、斉藤君を指差した。

新学期早々喧嘩なんてことになったら……

確実に生徒指導室行き。

斉藤君に反省文なんて書けるはずがないわけだし。


斎藤君は走り出したかと思えば、安田君の腕を掴んで、校庭から出ていってしまった。

安田君は慌てふためいたまま、抵抗せずに連れて行かれる。

「ははっ、あいつら出て行ったよ。もう戻ってこねぇな。」

槙が呆れて笑った。

「何あいつらっ!どこのドラマだよ!」

遼は爆笑。

腹を抱えて、笑い出した。

「遼笑いすぎ!」

一応注意するが、あたし自身も笑っているから説得力がない。

ほんと、どこのドラマのラブシーンよ。