「あんま見んな…」

そう言って、目を逸らした。

あたしもつられて下を向く。

チラッと視界にはいったキラキラ光るもの。


「ゆ、びわ…?」

「………クリスマスプレゼント…」

目を逸らしたまま、ボソッと呟いた。

精一杯の照れ隠しなんだと思う。


「ありがと!」

「おう。」

そう言うと、お互い逸らしていた目が、バッチリ合った。

「今はまだ右手な。」

優しく笑って、言葉を続ける。

「左手は本番にとっとけ。 俺がはめてやるから。」

その言葉は、あたしの頬を赤く染めていく。


「それって……」

「部屋戻るぞ。」

あたしの言葉に返事を返さずに、手を引いて歩き出した。

「はーい。」

大人しくついて歩く。


そこからは無言だったけど、何故かそれが心地よくて、1人で笑ってしまう。

「何笑ってんだよ」

「ふふっ、何でもなーい。」