遼らしい。

大ちゃんの家、何気に広いから。

結構人入れるし。

「美憂病み上がりだし、仕方なくオッケーしてやったんだよ。」

…あたしに気遣ってくれてるんだ……

なんか嬉しいかも…

「優しいね、大ちゃん。」

「は、どこが。」

「んー…分かんないけど。優しいよ、大ちゃんは。」

「あっそ……」

照れ隠しに、あたしから目を背けて、そっぽを向いた。耳、真っ赤だけどね。


前を向くと、大ちゃんの家が見えてきた。

マンションの階段を、手を繋いだまま上がっていく。


―ガチャ…

「んあ? あ、美憂久しぶりー!」

ドアを開けた途端に、出迎えてくれたのは、遼………のはず。

「見て、髪染め直した!」

言わなくても分かるくらいの変化。

オレンジ色だった髪の色は、茶髪になって、所々にオレンジメッシュが入っている。

「すごっ……」

「俺がやったんだ。 上手くね?」

声のした方を見ると、奥から槙が出てきた。

ピンクメッシュのなくなった、黒髪の槙が。