すると悲しくもないのに
スーッ…と涙が流れた。




再び私のほうをむいた鈴宮は少しびっくりしていたけど

ただ…じっと私を見つめていた。













静かな音楽室。



私は・・・何も考えられない。
















「奏」



鈴宮は長い沈黙を破った。




「もしかして…本当はピアノが…!」



ハッ!



「や、やめてっ!」



涙がピタッと止まって耳を塞いだ。



鈴宮が言おうとしていることを聞きたくない!




「奏…」



「お願い!それ以上言わないで!」



それ以上言われたら…、今の私がッ・・・・