「何してんだよ、あいつ。」

「何か投げてるぞ。」

目を凝らしてジーッと見ていると、光紀が視線に気付いたみたいだ。


「おーいっ!」

持っていた何かの、最後の1つを投げて、こっちに向かって走ってくる。

後ろから、小学生まで同じ様に。


「…………水風船か。」

「はっ?」

「ほら、小学生水風船持ってる。さっき投げてたの水風船だろ。」

「あぁ……光紀が投げてたのも水風船か…」

「あいつバカだろ。」

「小学生と同レベルだな」

なーんて呑気に笑っていたが…


そういきそうもない。

「ちょっとヤバくね?」

槙が言った発言に、俺も多少焦り始めた。

「なーんかついて来てんな」

大量の水風船を持った小学生が光紀の後ろを猛ダッシュ。

「「光紀!こっち来んな!」」

と言った時にはもう遅くて

「何で!?」

走る足を止めずに向かってくる。



―バシャッ!

「わーっ!不良だ!!」