ケータイ小説 野いちご

私達の世界


入学式会場と書いてある看板の横で写真を撮っている見知らぬ家族を通り抜け、受付の会場へと急ぐ。
会場の中は人でごった返していて、私の先を歩く母について行くのがやっとだった。

「実琴!」

その時、誰かに制服の袖を引っ張られて振り向いた。
「あれ!?麻稀じゃん!」

振り向いた先に居たのは、小学校時代、私と仲の良かった友達
三橋 麻稀だった。

「おー!!この人混みの中で良く見つけたな」

「偶然歩いてたら実琴らしき人を見つけたからさ、思わず」

そう言うと悪戯っぽく笑った。
私はこんな麻稀の性格が好きだ。
裏表のない、真っ直ぐな性格、明るくて、周りを引っ張って行けるカリスマ性、少しネガティブになってしまう時もあるが、基本的前向きで、なんにでも挑戦して行こうとする向上心。
全部が全部、引っくるめて私はこの子が好きだ。

「ねえ、まだ入学式まで時間あるしさ、誰か他に知り合いいないか見てこない?」

突然の麻稀の誘いに、一瞬考えてから、母の方に視線を向ける。

「いいわよ、行ってらっしゃい。受付は保護者だけで大丈夫みたいだから。」

「ありがとう!!」

母からの了承を貰い、少し大きな声でお礼をいうと、麻稀の手を引っ張って人混みを掻き分けながら、会場を後にした。

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