だから、その日の昼休みも
独りだった。




――…パタン


私は読んでいた本を閉じた。



『この推理小説、矛盾点ありすぎ……。』

なんて、小学三年生とは思えないことを言っていた。




ふと、目線をずらして窓から校庭を見た。



みんな、楽しそうに遊んでる。




ーーー独りが、悲しいわけじゃない。


ただ、あんな風になれたら
楽しいだろうな、って
羨ましいだけ。






そのとき、



―――…ガラッ



「九条…さん?」




誰かが、教室に入ってきた。