それでも龍は全然動こうとはしない。

ただ体は震えていた。






寒いから、ではない。

今の私にはそれがよく分かる。









「龍、」


「……さんは」


「え?」


「ゆいさんは、いつから知ってたんすか?」








小さな、小さな声。

その声と同時に龍はゆっくりと顔を上げた。




戸惑いに近い無表情。

心臓が、高鳴った。









「冬休み前に尚輝から聞いた」


「なんで、黙ってたんすか」


「…それはごめん」


「信じられました?その話聞いて」


「半信半疑、やった」









そう、黙っていた私が悪い。

龍を傷付けたのは私のせいでもある。




怒鳴られてもいい。





素直に謝るから、だから。











「ですよね?」










その無理矢理な笑顔やめて。








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