「あ…」


こっちに向かって手を振る人影。


……苑塚だ。


手を振り返し、近寄る。


「やっと気付いた。で、何でローファー履いてんの?」


「………玄関で、間違えた…」


笑いながらそれを指摘され、恥ずかしくて俯きながら答えると、さらに笑われた。


……どーせバカだもん。


「あははっ、じゃあ行くか。」


そう行って、手を繋がれる。


一瞬顔が熱くなり、苑塚を見上げると、ちょっと頬っぺたが赤くなってた。


……よかった、昼休みの事気にしてないみたい。



ちょっぴり安心して、指から伝わる温度に酔いしれて。