「緑の…。桜田君!いつも急にいられると少し驚くんだけど…。」

笑って、あの瞳で
「それは失礼。緑の君て呼んでいいよ。」

「えっ?」

「いつもさゆり言いにくそうにしてるから。」
私の左手を握ろうとしたのに…。

「ふーん。離さないでおいた方がいいよ。」
そう言って去って行った。

なんなの!
自分の顔が火照るのがわかったからよけい恥ずかしい。
何を期待してるの!

「さゆり~。いつの間にあんなに親しくなってたのかなぁ。」

「うぅ。ついにさやりにも春が!」

「やめてよ。かなもまりも…。そんなんじゃないし。私は日陰の草でいいの!目立たない平凡なくらしでいい!」

「あらあら…。照れない照れない。」
「そうよ奥様。あんな高値の花畑はそうありませんよぬぇ。」

「「ねぇ。」」

「ちょっと!違うから!」

人の話を聞け!
勝手に妄想しまくるな…。かなとまりの妄想はそのまま、止まらず…。
妄想族め…。