教室の扉を開け適当に朝の挨拶を済ませて自分の席に座る、なにか本でも読もうかな?と思って鞄のなかの小説に手を掛けたときに後ろから肩に手を置かれたのでビクッと体が震えてしまった。

「ちょ!?そんなに驚かなくてもいいんじゃない!?」

「真奈美か~…ホント驚くから止めてくれよ~」

いや、本気でびっくりした。もう心臓がバクバクいってるよ。真奈美にはたまに驚かさられるから困る。

「いや、ゴメンね?まさかこんなに驚くとは思わなかったからさぁ…今度は耳にふぅ~ってしてあげるからねっ☆」

「『してあげるからねっ☆』じゃないよ!?ホントそんなことやったらキレるよ!?」…いやもうそんなことされたら本当にどうなるか分からないからヤメテ。マジで。

「冗談♪冗談♪そんなことしたらどうなるか分かったモンじゃないからねぇ~」…よくわかってるな~。

 彼女は美浦真奈美(みうらまなみ)。小学校からの友人で、昔から仲良しであったため小学校の時は「お前ら付き合ってんじゃね~の?」などと言われ、真奈美と喋らない事もあった。だが、そんなのもすぐ終わり、また喋るようになって…今に至る。