学校が終わって放課後、少しだけ佳奈はしょんぼりしていた。どうしたら由希ともっと仲良くなれるんだろう。


校門付近で他校の生徒がたまっていた。その中に由希の姿が。


「あー由希ー!」

思わず大きな声が出た。

だって1日で2回も由希に会えるなんて。いつもどこを探してもいないのに。

佳奈は諦めない。絶対に由希を佳奈だけのものにしたいよ。


「また会えるなんて超エスパー!ねえ、これから朝の続きしようよ」

絶対佳奈だけを見てほしい。他の女なんかに負けたくない。由希はいつもみたいにシカトして歩き始めた。


「由希待ってよー!」


――パンッ!!

と、その時。鋭い音と一緒になにかが電光石火みたいに飛んできた。


「……っ」

それは由希の後頭部に当たって、カラカラと空のペットボトルが佳奈の足元に転がってくる。