その写真を見て、ふと笑みをこぼす。


「……懐かしいよなぁ」


写っているのは、数十年前の樹里と俺。

確か……5歳くらいの時のものだ。

顔や手足に、絆創膏だらけの俺と幼いながらも……美少女な樹里。


コイツは、本当に昔からカワイかったんだよな。


「……樹里の幼い頃に杏樹はそっくりだ」


2枚の写真を見比べて、笑った。



そうして───思い出す。


今や、大切で大切で仕方ない妻になった樹里だが……高校2年まで、一切恋の対象に考えたことはなかった。


そんな俺達が、付き合うキッカケを───……。