「よし!」

彼は何から話そうかなと言葉を選んでいるように見えた。



「僕の父上と林檎の父上は兄弟なんだよ。だから僕たちイトコ同士ってわけ」

こんなにもあっさり言われると、本当は驚くべきとこなのに素直に受け入れてしまう。

「君が『男』になるのは妖魔界での権力争いが絡んでいるんだ。おじ上が亡くなってから、王位は兄である君の父上が受け継ぐハズだった」

ハズ……だった?

「しかし遺言で男子の子を持っていることが王位を継ぐための絶対条件だった」

『男子』であること……
「子である、君が『女』であることが王位継承の妨げとなったんだ」

「それじゃ私は──」



「王位継承権を取るため、意図的に『男』にさせられたんだよ」



紅皇とイトコってことよりも、何よりも一番驚いたのは、この事実だった。