「声に出てたよ」

ははは、と笑って蒼以と旬斗の座る席に戻っていく。

小中学校の遠足や修学旅行の思い出というと
いつもこいつらのお守りばっかしてたし、
写真なんか撮られても、バーベキューの肉を焼いてるとこだったり
水族館のヒトデをいやいや触って泣き出す蒼以の世話だったり

寝相の悪い和也にゲーム機を踏まれて怒る拓真を
旬斗となだめているとなぜか殴られたり。

やっと解放される帰りのバスの中で
爆睡していると鼻の穴に指突っ込まれた写真だったり
眉毛が繋がって寝てても目が開いてる絵を書かれていたり
おでこに『肉』と書かれていたり。

いつも振り回されている記憶しかない。

落書きされていたときは、誰も言ってくれず
そのまま帰ろうとしたこともある。

中1でどっかに社会科見学に行ったとき
そのとき居た彼女と回っていたんだけれど、
入っちゃいけないところに蒼以が入ってしまって

ベルトコンベアに流されているところを目撃したり。

そして蒼以を助けると次の日彼女に振られたり。

「あのときは・・・面白かったなー」

「何独り言喋ってんの、きも」

「・・・うっせーんだよちっぱい!」

高校2年生の修学旅行は
どんな波乱が起きるんだろう・・・