「迎えに……って!!!冗談じゃないわよ!!!」

もうあの『世界』には戻らないって決めたんだから!!!

私の断ることは想定内だったのだろうか。
その少年は少しも動じることなく、寧ろ私に近づいてきたのだ。

「やっぱりね……そう言うと思ったよ。それじゃ――」

彼は何かを取り出り出した。


……ペンダント?


「これを見てもまだそんなこと言ってられるかな」

「――『王家の紋章』」

確かに刻まれている、王家の証。
それじゃ、こいつは妖魔界のプリンスっこと?

「君が思っている通りだよ。君は僕に逆らえないんだよ。クラリスちゃん」

「……ちゃん?!」

こいつ――いや、この方はまさか、

「もちろん俺は君の秘密も調査済みだよ!」

「あなたの目的は何?」

権力を行使して人の弱みを握って揺さぶるなんて最低!!
例え命を落とすことになったとしても、
こんなやつのいうことなんか聞くもんですか!

「僕の目的?さっきから言っているだろ、君を迎えに来たって」

「だから~っ!!!」



「僕と君は結婚するんだよ」


な、な、な、何~~~っっっ!!!!!