「あんたも早く寝なさいよ」

「あ、うん。おやすみ」


母は私の顔を見ると安心したように寝室に向かって行った。


きっとお茶というのは私と会話するための口実だったのかもしれない……
そんな風に思う。

同じ家に住んでいても、生活のリズムが違うとすれ違うこともままならない。
親としてみたら子供と一言でも会話して、
顔を見たいというのは当然のことなのかもしれないな。

「俺も宿題しなきゃ」

立ち上がると私も自分の部屋へと向かうことにした。



私たちはごく普通に生活しているが、
実は『人間』ではない。

魔法使いでもないんだな……これが。

妖怪と悪魔が暮らす世界。
『妖魔界』から移住してきたの『妖魔』ってわけなんだ。