ぶっきらぼうな物言いもするし、瞳に浮かぶ色だって濃くなる。

あたしは手を伸ばした。

さっきはカステラをつかんだけど、今度は達郎の頭を撫でた。

「なんだよ」

あたしの行動に、達郎は目を丸くした。

「なんでもない」

あたしは達郎に向かってにっこりと笑った。






『人形はなぜ捨てられる』

END