「ゆいー成績どうやったっ?」


「下がってた」


「えー?!」


「そりゃ今年色々あったしね」







箒を持って、廊下の窓を背もたれに。

空は所々曇りで、たまに青空。





大掃除だる。

やってないけど。






それに成績落ちてショックやし。

あれや、入院と記憶無くしたんがあかんかったんや。





まぁ大学も別に頭いいとこ行くわけちゃうしね。







「あ、尚輝くん」


「……………」


「すっごい人気やねんっ」


「ね、」







窓から中庭を見れば、女の子に囲まれた尚輝。

なんでも手の届く王子様だとか。







「あれ、こっち見た」


「…うん」








見上げた尚輝。

見下げる私。

目が合って。





すると尚輝は人差し指を唇に当てた。









内緒な、









まるでそう告げるように。









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