何が?!何が借りがあるだ!!
これはあんた1人の問題じゃないっつーの!!


「おい、気引き締めろよ。
ここからは警察がうようよしてんだからな。」




そういうと、陵の言葉を待っていたかのように電車のドアが開いた。




「言われなくてもわかってますよーだ。」


「……性格悪。」


「生まれつきですっ。」





っかぁぁ!!腹立つったらありゃしないっ。っていうかもうはらわた煮えくり返ってるわ!!




駅からそう遠くもない警察署。


でも、よく考えてみれば早く長畑さんのところに行かなくちゃ身柄が引き渡されて、それこそ話すなんてできなくなる。




もしかして、陵はそれを踏まえて急いで家からでたっていうの?

なんか、あたしが思いつくことよりも先に考え付いてる陵が、余計ムカついてきた。











「えい。」



短い言葉と共に繰り出された蹴り。

それは先を歩く陵のふくらはぎに命中した。



「……ったあ~っっ!!

何しやがんだよテメェっ!」


「いや、なんか見ててムカついたから。」




相当痛かったのか、涙目になりながらしゃがんでふくらはぎをさする陵。

怒ってるけど、涙目だし。上目遣いだし。









「あのなぁ、今の状況わかっててやってんのか、コラ。」



すくっと立ち上がり一気に目線が上がったあたしは、じっと陵を見つめた。




「…………おい、きいてんのか?」



「聞いてたよ。まっ、あたしはこれでなんとなーくだけどすっきりできたし、陵もリラックスできたでしょ?」
















結局自分が何をしたかったのか。
自分でもわからなかったけど、本当にすっきりしたんだと思いたかった。










































「行くんでしょ?」