その言葉に、セリは大袈裟に溜息をつきつつ首を横に振った。


「そんなこと言ってると婚期逃しちゃうよ~?いいじゃん、3人ともいい人なら今のうちに捕まえとけば?」


「あはは、セリちゃんおもしろい」


ゆずは軽く笑うと、ロッカーをパタンとしめ、店を後にした―――。



結婚なんて、考えてなかった。


今の仕事は好きだし、楽しい。


自分を指名してもらえるのも嬉しいけれど。


でも、すぐに結婚というふうには結び付かない。


あの3人がとても魅力的だということはゆずだって十分過ぎるほどわかっているけれど。


だけどそれ以上に―――


客にとって、自分が単なるキャバ嬢の1人だということも、わかっていたから・・・・・。