ドアノブに手をかける。
明らかに重みを感じているドア。
きっと頼たちだろう。
そんなことも知らずに、まだボソボソと話している。
「ちょっとおそいんじゃねーの」
「のぞいちゃおっ、「てめえら」

ドアを開けると、雪崩のように流れてきた男ども。
「ま、松風っ!」
その雪崩の一番上に乗っかっていた和也が慌てる。
「てめえら、何やっとんじゃ!」
上から、和也、旬斗、頼、そして一番下に拓真。
こいつらは何やってんだよ、本当に・・・。
「あおちゃんのメイド姿を見たいって、コレが」
上上、と言って指さすのは頼。
「頼まで・・・」
「違うんだよ蒼以、元はと言えばこいつが変態趣味だから」
今度は下下、と言って指をさす。
「変態?男のロマンだろうが、」
「まぁ、確かに」
「あおちゃんパンツみーえそ・・・、ぐへっ」
「てめぇは黙って二次元の世界に生きろ」

「蒼以、似合ってるよ」
「うるせーよ、醤油顔」
と言うと、和也は「しょうゆがお?」と言う。
やっと意味が分かったのか、目を見開いて涙を浮かべる。
「男のくせになよっちぃんだよ!黙って鏡見てろ!このナルシスト野郎!」
まるで日々の鬱憤を晴らすかのように言い続ける。
「頼も頼だよ。あんただけはお兄ちゃん的存在だと思ってたのに・・・」
「蒼以・・・」
「この変態!」

「拓真も拓真だよ」
「あおちゃん、ごめ・・・」
「お前は黙ってママの作った美味しいクッキー食ってろボケ」