クルリと後ろを振り返る。

と同時に、周りにいた女たちが歓声を上げた。


「蓮くんだ!!」

「カッコイイ〜〜」


「……うるせぇ」

騒がれてる本人は、キライな女たちに囲まれているため……顔をしかめる。

ギロッと彼女たちを睨み付けると、テーブルを挟んで俺の目の前のイスに座った。


「相変わらず女ギライなんだな」

「あぁ」

トレーに乗せて持って来たコーヒーをお互い口に運ぶ。


蓮が睨んだからか、周りにうじゃうじゃといた女たちは、少し俺らから離れた。

これで、普通に会話が出来るな。


「……なぁ」

「あ?」

俺が話し掛けると、コーヒーを飲んでいた蓮が顔を向ける。


「……どうやったら、杏をアイツのファンクラブから守れる?」


カップを持ったまま……問い掛けた。