ガチャッ

扉が開く音がした。
振り向くと、おじいちゃんが申し訳なさそうに立っていた。
「お疲れ様です、総監。」
係長が頭を下げるので、
私も慌てて頭を下げた。
「顔を上げてくれ。頭を下げるのは私の方だよ。今回は、本当にすまなかった。私の目が行き届いていなかったばかりに…」
おじいちゃんは、頭を深く下げた。
「おじいちゃんは悪くないです。親友の私が、みさの気持ちに気付いてあげるべきだったんです。」
私はそう言って、おじいちゃんの肩を持った。
「妃君…君には本当に辛い思いをさせてしまった…。目の前で人が打たれるのを見るのは、さぞ悲しかっただろう。」
おじいちゃんは、涙を流してしまった。
「あ、そう言えば!仁科の手術成功したらしいぞ。」
え?
「警察病院だから。七瀬、行って来い。」
「え、でも……」
「いいから。コンビだろ?」
係長はそう言って笑った。
おじいちゃんも私の背中をトンと押してくれた。
「行って来なさい。」
「……はい!行ってきます!!」
私は泣きながら部屋を走り出した。