「係長、都築さんは…」
階段をゆっくり降りながら聞く。
「あぁ…都築は車持ってくる。」
あ、そうなんだ。
死んだんじゃないのか。(おい)
その後、私達は一言も喋らずに正門に到着した。
正門には、救急車と、それからパトカーとそれに寄りかかる都築さんがいた。
ほんとに死んでない。(おい)
「おーい、都築ー。」
係長は手を挙げて都築さんに声をかける。
都築さんはそれに気付き、一礼した。
「お疲れ様っす!」
都築さんは私に代わり、陸を担架に乗せた。
その担架は救急車に乗り込み、病院に向かった。
陸、大丈夫かな…?
「七瀬。仁科が心配なのはわかるが、戻るぞ。」
係長はそう言って私の頭に手を乗せ、後部座席に乗った。
私は急いで、空いている助手席に乗り込んだ。
「すみません!出発して下さい。」
私は運転席の都築さんに声をかけ、シートベルトをした。
「助手席に女子高生かー。いいねー…った!!」
何かと思えば、依子さんに殴られる都築さん。
「早く行って下さい。」
「はい、すみません…。」
それからやっと車は動き出した。