今思ったけど、『ジョーカー』はどこにいるんだろ?
係長に聞いてみよう!
「係長!」
トランシーバーから係長の応答を待った。
≪七瀬か?!なんだ?!≫
ほっ…よかった。
繋がった。
「『ジョーカー』はどこにいるんですか?!」
≪わからない。都築たちの応答がないんだ。俺の予想だが、校内に散らばっているだろう。気をつけろ。≫
そんな…。
じゃあ、どこへ向かえば…。
私がそう思った時、不意に背後に気配を感じた。
「誰?!」
私は、回し蹴りの構えで後ろを振り返った。
「おっと、危ねー。ほんとに女子高生がやってんだ♪」
私の背後にいたのは、20歳を少し過ぎたくらいの男だった。
その男の手には、私のトランシーバーが…!
「あっ、返してよ!」
そのトランシーバーからは、まだ係長の声がする。
≪七瀬、どうした?!≫
男はトランシーバーに向かって言った。
「この子は、俺の獲物です。邪魔しないでくださいね?」
男はそう言った後、トランシーバーを踏みつぶした。
あぁっ!私の連絡手段が!!