「S.S.P.の最大の敵は『ジョーカー』なんですね?」
陸が少々低めの声で聞くと、都築さんは少し後ずさった。
「……そういうことだね。」
「私達もいずれ関わることになるんですよね?」
私が不安になりながらも聞くと、都築さんは眉毛を下げて答えた。
「うーん。なるべく俺達大人が当たると思うけど、妃ちゃん達の学校に乗り込んできたら、その時は頼むことになるかな。」
やっぱりそうなんだ…。
この前みたいな、一般人相手ならなんとかできたけど、
事件を6件も起こしてるグループ相手なんて、私には無理だよ…。
不安に押し潰され、泣きそうになっていると…。
「妃、大丈夫だ。俺と一緒ならどんな奴が相手でも勝てるよ。」
陸が、優しい声で言いながら頭を撫でてくれた。
そんな優しい陸のせいで、私はついに涙をこぼしてしまった。
「あーあ。陸くん、泣かせちゃったねー。」
ネタにしているような都築さんの声で、パッと私を見る陸。
「はっ?!なんで泣いてんの?!」
陸は焦りながら、一生懸命私の涙を止めようとしてくれている。
私はそんな陸がおかしく見えて、つい笑ってしまった。
私が笑うと、陸はなぜかそっぽを向いた。
「?陸?」
不審に思い、陸の顔を覗きこもうとすると、陸の言葉で妨げられた。
「ちょっ、今見んな!!」
そう言った陸の、ちらっと見えた耳は真っ赤に染まっていた。