放課後
体育祭まで毎日残って旗作りだ。
小島と。
寄せ書きの旗の真ん中に『1年2組』と書こうと、
小島と話していた。
机をどけて、床に旗を広げて、二人床に座って旗をながめた。
「サインペンで書くのは、つまんないなぁ」
小島が真剣な顔で言った。
私の中での旗の文字は断然【筆】だ。
いかにも【書道】て感じで文字がこう…舞い踊っていてさ…
これって正也の服の刺繍文字か。。
なんでこんな時まで、正也が出てくるんだか…
「俺が筆で書こうか?」
「いや…え……?」
心の中を見透かされたような気がしてびびった。
「俺、一応書道部だから。
あんま活動してない部だけど」
「そ、そうなんだ…じゃあ…よろしく」
オロオロしながら私は小島に言った。
小島は書道部なんだ。
知らなかった。
すると小島はちょっと待っててと、立ち上がって、
教室を出て行ってしまった。